首都高速シーナリーの建築現場へようこそ! ここでは道路工事現場の状況を簡単にご紹介します。
これは東京駅の南側のテクスチャーです。4つの赤い矢印がテクスチャーの境界線ですので、ここでは4つのテクスチャーのタイルがあることがわかります。一番左端の緑のところは皇居の東端で、その右には丸の内のビル、その右の茶色の線は山手線・京浜東北線・東海道線・東海道新幹線の線路です。上の端のそばにある赤い細長い建物が東京駅です。確かに苦労されて線路はぴったりと合わさっていることがわかりますが、あまり目立たない右の方の銀座のビルの辺は目茶目茶です。2つのオレンジ色の矢印は、よく見ると全く同一の地点であることがわかります。ここから左の方に伸びる道路の形状も全く同じです。そして問題なのは緑色の矢印です。これは首都高ですが、左側の矢印は西銀座JCT・右側の矢印は京橋JCTです。西銀座JCTと東京駅の南端が同じ緯度に見えますが、実際はそうではなく、これらのJCTは有楽町駅北端と大体同じ緯度です。地図上で計測したところ、このずれは約400mでした。さらにこの写真だけでは良くわかりませんが、周辺の様子を見ればわかる通り、有楽町駅がないのです。ちょうどテクスチャーの継ぎ目に引っかかって消されてしまったようです。
次は、港区元麻布付近です。赤い矢印は同様にテクスチャーの境界です。空色の線は首都高速2号目黒線で、見事に切れています。そして緑の点々は、有栖川公園ですが、有栖川公園の南側のほとんどと、地下鉄日比谷線の広尾駅周辺・ドイツ大使館・フランス大使館・四の橋あたりがことごとく消えています。有栖川公園を消すとは個人的には大変不満です。なお、黄色のところは左は広尾病院・その隣が慶応義塾幼稚舎・右はオーストラリア大使館ですが、知っているひとが見れば一目瞭然な通り、実際は同じ緯度のわけはありません。
今度は逆に同じ物体が重複している例です。これはちょっと離れまして東名高速道路の東京料金所付近です。赤丸が東京料金所です。緑のところは全く同じ風景で重複しています。場所は、川崎市宮前区の等覚院です。黄色の点々は、トワイライトさんのところで強引に線を書いて道路を作った個所です。このように高速道路なのにヘアピンカーブができてしまいます。(まあいつも渋滞している東名なので、たとえ本物がそうなっていても事故にはならないかもしれませんが??)
首都高の工事の際にはこれらのずれをうまく乗り越えて道路を引く必要があるわけで、このように、フォト・リアリスティック・シーナリーといえども、「道路工事はアート」であることに変わりはありません。
「メイキング・オブ・横浜シーナリー」
そこで、それなら仕方ないから作ろうか・・・ということになったのですが、・・・衛星写真はともかく、航空写真はそう簡単に安価で手に入りません。有料で大量に販売できるあてがあるならともかく、個人が単にシーナリーのために出せる金額では到底ありません。しかも当然著作権の問題も絡んでくるでしょうし、たとえそれが無いにしても、航空写真を貼ることのみで逆に「シーナリーはアートだ!」と道路工事のように主張するのもちょっと無理があるかもしれません。まあ、カネが無くともコネがあればなんとかなりそうですが、しっかりと、両方ないです。・・・・・
となると、自動的に、全部自分で作ることになりました。そして、地図上の座標を元に、全部絵を描く事にしました。「地図」という著作物を使うのではなく「座標」という事実のみを使うので、著作権の問題もありません。逆に絵を描くのであきらかに「ヨコハマシーナリーもアート!」であることに疑いはありません。
というわけで、地図を元に絵を描けば、座標誤差がゼロの完璧なシーナリが完成するはずだったのですが、そう簡単にはいきませんでした。
ここで、横浜シーナリー作成のポリシーを考えたのですが、やはり現在東京近郊のシーナリーで最も完成度が高く、かつ最も普及しているものは、トワイライトさんの東京シーナリーだと思います。となると、トワイライト東京シーナリーとの互換性を維持するのは大前提としたいと考えました。そこで問題です。上にも書いた通り、トワイライト東京シーナリーは、かなり座標がずれています。東京23区内だけずれていれば横浜は関係ないのですが、いろいろ見てみると、厚木基地や調布飛行場の位置もずれまくっています。
これは結構困ります。具体的に書くと、横浜中心部近辺は座標のずれはないのですが、厚木基地は北東方向に約2kmずれている上、大きさも南北方向に2倍弱大きくなっています。調布飛行場は、今度は北西方向に約3kmずれています。トワイライト東京シーナリーのように、途中テクスチャを省略したり逆に重複させたりして目立たないようにごまかすのが一番簡単ですが、そもそも横浜シーナリーを作ろうと思った動機が「道路工事」ですから、これをやると途中の道路の連続性が失われ、何のために作ったのかがわからなくなってしまいます。
そこで仕方なく、とても面倒ですが、トワイライトの厚木・調布にあわせてシーナリーのブロックを少しづつ歪ませてずらすことにしました。
これをご覧ください。これがずらしの現状です。緑色の領域は、位置のずれがない横浜中心部です。赤は、厚木基地です。北東にずれている上、南北に伸びています。その中間の領域は、少しづつ正方形から歪んだ形になっています。これを調布についても行うため、上の方では少しづつ左へ歪んでいます。これをやると大変手間がかかりますが、道路や線路の連続性が保たれ、かつトワイライト東京シーナリーとの互換性も保たれます。
これでやっと位置ずれと互換性の問題をクリアーできたので、具体的にどのくらいの解像度で作ろうかということになるのですが、当然粗く作ると見栄えが悪いし、細かく作ると重くなります。あと、あまり細かく作ると、それをサポートするだけの情報入手が困難です。たとえば、・・・さんの家の屋根の色とか、・・・さんの家の隣は、家は建っていなくて実は空き地だとか・・・個人のレベルで手におえる情報量をはるかに越えています。しかしせっかく作るのだから、トワイライトの東京シーナリーよりは高解像度で・・・というのが人情です。
というわけで、結局横浜シーナリーでは、1ピクセルが約6mの解像度としました。これは、トワイライト東京シーナリーの都心部の解像度よりも細かいが、個々の家々の情報まではわからない程度の解像度で、住宅地でも太目の道路・小さな児童遊園・小学校の建物と校庭などは判別できるといった、扱いやすくかつ興味もそそられる程度の解像度ではないかと考えています。
この図をご覧ください。上が東京シーナリーの航空写真領域での解像度(約6400フィートより上空)、左下が東京シーナリーの衛星写真領域での解像度、そして右下が横浜シーナリーの解像度を表しています。これによって 1ピクセル=約6m の解像度とはどれくらいか、実感して頂けると思います。(東京シーナリーの航空写真領域での解像度は、約6400フィートより下では1ピクセル=約7mになっています。)
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