北方領土地図シーナリー

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歴史的経緯と問題点

「位置ずれ問題」・・・これはFS上では古くからある大問題です。首都高で散々体験したように、せっかく苦労して物を作っても、元となる地面のシーナリーが変わると全部作り直しとなってしまいます。まさに「砂上の楼閣」です。ビルなど単体のオブジェクトは移動は楽ですが、鉄道・高速道路などの長物は、位置・方向・長さ全部が壊滅的影響を受ける為ほとんど全部作り直しとなっていました。

これを解決する方法としては次のようなものがあります。
  1. デフォルト・シーナリーそのものを作り直す。
  2. 航空写真シーナリーやイラストレイテッド・シーナリーを作り、それを標準とみなす。
1については1997年に、村上さんが東京湾改造プロジェクトに着手されています。2については初めてFS98時代に関東地方の航空写真シーナリーが出たトワイライトエクスプレスの東京シーナリーから始まって、その後いろいろなバージョンのトワイライトエクスプレスの航空写真シーナリーが位置の互換性なく沢山リリースされています。また、イラストレイテッド・シーナリーについては、1998年に横浜シーナリーを作製し、これはトワイライトエクスプレスの東京シーナリーとの接続も念頭に入れたものでした。

これらには共通して次の問題点があります。
  1. 地図上の位置に正確に合わせる事を意図して作製されている場合でも、どの程度正確なのかはわかりにくい。
  2. 対象となる地域が限定されているので、その地域以外では使えない上、将来どうなってしまうのか不安が残る。
  3. (トワイライトさんの場合は、)そもそも位置の互換性を図る気がない・・・
ならば、地図そのものをシーナリーにして基準位置を出せばいいのではということになりました。

**しかしその状況は変わりつつあります。このサイトにありますように、関東地方をはじめ、非常に広範囲な領域にわたって高品質な航空写真シーナリーがリリースされつつあります。これが事実上の標準となれば、本プロジェクトは不要となるかもしれません・・・・


対策

いろいろありまして少々時期的には遅れてしまいましたが、日本全国の地図シーナリーを作ってみようということにしました。具体的には国土地理院の数値地図200000(地図画像)日本T・II・III を原図として日本全国をカバーします。「地図」シーナリーですので普通のシーナリーとはかなり用途が異なっています。つまり、飛ぶのが目的ではなく位置確認用になると思います。例えば、
  1. SLEWモードで山間部の川の位置などを確認する。
  2. SLEWモードで3D地図のような景色を楽しむ。
  3. オブジェクト作成時の位置のリファレンスとする。
特に3についてはシーナリー製作をする方の為のものです。例えば、○○県○○郡○○村の村役場のオブジェクトを置こうと思った場合、従来はどこに置いたらよいのか全く見当もつきませんでした。ピンポイントなら緯度・経度から出せばよいですが、周辺道路まで全部作ろうと思ったら大変です。シーナリーの範囲が大きければ大きいほど、結局は上記位置ずれ問題に遭遇してしまいます。

また、デフォルト・シーナリーの地形そのものを改造する場合にも、そのリファレンスとして利用可能です。現在のところ、地形改造には Coast-Line-Maker や Ground2K が利用されているようですが、PHOTECさんのTGPeditorが多機能のようです。(但し、こちらでも実験させて頂きましたが今のところ「I/Oエラー」で動きません。)

地図シーナリーには次の欠点もあります。
  1. 地図そのものなので、風景は見えない。
  2. 作製は4.8m/pixelの解像度で行っているので、日本全国をフル解像度の航空写真シーナリーでカバーしたのと等価でありとても重い。
  3. 位置の誤差が完全にゼロではない。
2については、たとえ日本全国が完成した暁でも、全部は一度に入れないほうが良いです。目的位置周辺のみにした方が現時点では良いと思われます。
3については、作成時に合わせても、ツールの誤差・地図上の平面と地表の球面のずれの誤差・地図そのものに含まれる誤差などのために誤差が出てしまいます。しかし本シーナリーは位置確認が目的ですので、誤差をごまかすことなくはっきりと表示します。WGS-84の緯度・経度を赤線で明示し、各地点での誤差を確認できるようにしました。具体的な誤差は、約100mになりますが、これは元の地図が 20m/pixel 精度ですので、5ドット分となります。この誤差を経緯度線で確認してから修正して使用されても、または本シーナリーの位置そのものを基準として使用されてもそれは自由ですが、広範囲のシーナリーの場合は後者のほうが現実的と思われます。

実際のシーナリーについては、まず北方領土から段階的に製作していきます。日本全国については量が膨大になるため、あたたんからCD-ROMにて販売いたします。まず北海道を発売いたしました。


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北方領土地図シーナリー ver 1.0new MMFS2002 ready FS2004 ready

国後・択捉・歯舞・色丹の、北方四島の地図シーナリーです。

国後・歯舞・色丹島の全景です。周辺海面も表示し、地図にある字が消えないようにしています。
国後・歯舞・色丹島全景

国後島爺爺岳です。この画像の表示には、北方領土Terrainシーナリー詳細版を使用しています。
国後島爺爺岳

国後島北部の川の様子です。このように、地図シーナリーとTerrainシーナリーの組み合わせはリアルです。
川の様子

択捉島北端部に近い、山と海岸の様子です。
川の様子

拡大表示した緯度経度線と実際の位置の誤差です。場所は水晶島です。
右下の細い赤十字が現在位置です。緯度経度線からは、南に1ドット、
西に5ドット程度ずれています。誤差の評価も明快で迷いがありません。
誤差の様子


本シーナリーは、国土地理院の承認を得て公開しています。(承認番号 平15総使、第260号)

ダウンロード
です。
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